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PREMERO  (TOM)

★今回用意されていたのはイチゴもしくはスイカを思わせる赤&緑の2トーンと、対照的に渋いマット・ブラックの2色で、いずれもスペックは全く同じ。今後もキャッチーなカラー・ラインナップが追加されていく予定だ。

試奏モデル:PREMERO (TOM)

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▲ピックアップはネック&ミドル・ポジションのシングルコイルがピックガード・マウント、ブリッジ・ポジションのハムバッカーがダイレクト・マウントになっている。

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[SPECIFICATIONS]

●ボディー:アルダー

●ネック:ハード・メイプル

●フィンガーボード:パーフェロー

●ジョイント:ボルト・オン

●フレット数:22

●スケール:648mm(25.5インチ)

●ペグ:ゴトー“SG381-07MGT”

●ブリッジ&テイルピース:

 ゴトー“GE103B-T”&“GE101Z”

●ピックアップ:

     ドラゴンフライ“dfs-1”(ネック)、

 “dfs-1R”(ミドル)、“dfh-5B”(ブリッジ)

●コントロール:ヴォリューム、

 ハイ・パス/ロー・パス・フィルター、

 5ウェイ・ピックアップ・セレクター、

 コイル・タップ・スイッチ

●価格:オープン・プライス

 (市場想定税別価格¥270,000~)

▲ピックガードはコントロール部のみ金属製。左からハイ・パス/ロー・パス・フィルター、コイル・タップ・スイッチ、ヴォリューム、ピックアップ・セレクター。

 「ポップで可愛くてみんながほしがるようなギターが、ラインナップの中にないと駄目なんじゃないか」…長年のユーザーであるPABLOだからこそのストレートな意見から開発がスタートした“PREMELO”は、ドラゴンフライの現在のところの最新モデルだ。先述の通り、戸谷氏がブランド立ち上げの前に考えたデザインを基にしているというから、温故知新の実に分かりやすい例と言えるのではないだろうか。

 その仕様を順に見て行くと、まずネックはあらゆるギタリストにフィットするよう、標準的なロング・スケールを採用。一方ボディーは“HI STA (ORIGINAL STYLE)”に通じるスレンダーさでありつつ、外周に丸みを帯びさせてさらに肉を落としたコンパクトなシェイプだ。その形のおかげか、抱えた時の軽さが非常に印象的。ピックアップはSSHレイアウトになっており、ネック&ミドル・ポジションのシングルコイルとブリッジ・ポジションのハムバッカーで搭載方式を変えることで、それぞれに最適な音質を実現している(詳細は上写真のキャプション参照)。またピックガードがコントロール部のみ金属になっており、これは実はルックスのインパクトを第一に狙った仕様だそうだが、もちろんノイズを遮断する目的においても有利なのは言うまでもない。また今回試奏したのはチューン・O・マティック・タイプのブリッジが搭載されたもので、モデル名にもそれを示す(TOM)が付けられているが、今後は異なるブリッジやピックアップを採用したものもリリースされる予定とのこと。

 試奏して感じたのは、ビギナーとプロの両方にオススメできる幅広い可能性を持ったモデルだということ。最大の理由はSSHレイアウトとコイル・タップ・スイッチ、ハイ・パス/ロー・パス・フィルターの組み合わせのおかげで、繊細なクリーンや力強いリフ、それにハーフ・トーンによるクランチなど、ありとあらゆるサウンドに対応できることだ。初心者なら音作りの基礎を学ぶこともできるし、上級者ならこれ1本あればどんな現場もこなすことが可能。既存の何かのギターに似ているようであり、どれにも似ていないようでもあり、同時に何にでもなれる…。プレイヤーが出したいと思ったトーンをスッと差し出してくれるような、絶妙な設計に感じられた。また各ピックアップのサウンドのつながりの良さも印象的で、特にシングルコイル2つはかなりパワフルなので、太く抜群の抜けを持つハムバッカーと切り替えた時にスムーズに感じられる。特に高域の突き出し方はシングルコイルもハムバッカーも共通するものがあり、この辺りは長い歴史を持つブランドならではのバランス感だ。

4/4

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ヤングギター誌 2020年8月号掲載

dragofly

進化を続けるオリジナリティ   前編

2021.06

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